「シン・ゴジラ」は怪獣映画に非ず
当たり前の話ではあるけれど、60年以上前に公開された第1作に比べて、“SFパニック映画”としてのリアリティが格段に上がってます。
ゴジラ=巨大不明生物の特設災害対策本部内における総理大臣はじめ、閣僚や専門家等の内外への対応が特にリアリティを持って迫ってくるのです。
東日本大震災を経験してしまった私たち日本人にとって「シン・ゴジラ」は、大地震からの大津波、そして原発事故まで重なったあの大震災を彷彿させ、恐怖するのに十分な迫力を持っているのです。
そう「シン・ゴジラ」は単なる怪獣映画ではありません。「アウトブレイク」や「インディペンデンス・デイ」、「アルマゲドン」、「日本沈没」等々と同様な“SFパニック映画”なのです。
主人公はタイトルの(シン・)ゴジラ=巨大不明生物ではなく、その圧倒的な存在に振り回される側、つまり人間の方なのだ。
実際の東日本大震災の時がどうだったのかは知る由もありませんが、劇中では日本の縦割り社会、官僚機構の問題がリアルに描き出されている点などが、多くの共感とともに人気に火を着けたとも言えそうです。
あと、何と言っても現場が東京だということも筆丸にとっては、リアルに感じた部分です。
新宿はじめ、大田区、品川区、港区、目黒区、世田谷区…、筆丸の生活圏が舞台だからこそのリアルさ、ある意味の親近感が湧いたのかなと思いますが、ゴジラが東京湾羽田沖から呑川を遡上って…なんか、笑っちゃいましたけどね(笑)